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●101から150


101 倒懸の苦にくらぶればなまやさし 酷暑と少雨のうらぼんかな

102 たますだれ今年の暑さに咲かぬかとあきらめしも いつの間にか咲きぬ

103 ルワンダへPKO派遣に自衛隊 五十回忌の秋彼岸かな

104 酷暑とひでりの夏 無常の風が吹けば恵みの雨

105 色づき舞い散る落葉は 土となりこやしとなりて実りとならん

106 とりのこし柿の実三つとりのため 残せん大慈大悲

107 夏にまき秋にそだつ大根の 冬越え春にはたねとならん

108 クリスマス除夜の鐘から初詣 なんと忙し年末年始

109 暁天の大地の一喝 心中にとどろきわたり生死にめざむ

110 大地のいかり 国やぶれて山河あり 時春にしてひとめざめたり

111 人命を奪いし大地に福寿草 供花にならんと顔のぞかせり

112 梅の花かおりにさそわれ うぐいすの供養せんとほうほけきょう

113 春彼岸木の芽吹き初む 秋彼岸木の葉色初む いずれが終始

114 夜と昼 暑さと寒さ 何にかも中ぐらいの春秋彼岸

115 あやめかな それともしょうぷ かきつばた 同じ花のようで一寸違う

116 無心に早苗の草取り みのりへの五体投地か三拝九拝

117 あしとられ 梅雨の草取りつらきかな 問答無用の警策のごとし

118 なき人の 年に一度の藪入りに 腕によりかけご馳走作り

119 なき人のお迎え掃除念入りに いつでもお帰り無言の回向

120 水含み野菜を宿す地の蔵は 人を培う地蔵の姿

121 地の蔵にいずれは入る定めとて 今から予約の地蔵盆

122 秋彼岸 夏から冬のはしわたし夏の終わりは冬の始まり

123 秋彼岸 暑さ寒さの入れかわり夏の仕舞いは冬の支度

124 宗教老若男女貴賎なし 皆が通る火葬の室

125 お墓は地球の入口地の蔵へ 冥界ツアーの家族指定席

126 流水腐ることなく 凍りなし

127 転石苔むすことなく 角もなし

128 のべおくり 明日は我身と知らぬかな

129 今日とも明日とも知らぬ 死出の旅

130 咲きほこる梅の宿命(いのち)は 散るのみか

131 涅槃より彼岸はさみて 花まつり

132 大根の干して漬けられ 新香かな

133 新帰元 無から生じて無に帰る

134 新帰空 阿から生じて吽に帰る

135 蕗の薹 いつのまにやら春の蓮

136 茂りゆく いずれ落ちなんみどりかな

137 あすは枯る 燃えんばかりのさつきかな

138 雨の日も 心次第で晴れとなる

139 むし暑さ おのが心をきたえるか

140 夏安居 長雨をながめ梅雨楽し

141 朝顔のつゆのいのちと知りながら 今を咲かなん日照にたえ

142 ほおずきのふらりふらりと野放図に 中にはあかき実があるとは

143 蝉時雨 幾許もなきいのちをたのしまん

144 まつしぐら迎え火めざし帰りなん ほのぼの家族に懐かしき顔

145 彼岸ばな 人は毒花と言うけれど 茎は漢方の薬なり

146 死に化粧ひらりひらりと散るもみじ 明日はわがみと心得けり

147 黄金にかがやけるいちょうも 一風吹けばぬれ落ち葉かな

148 新年を迎えてうれし初日の出 日々新なりと心得はべり

149 大雪におおいかくせり俗物の日がたつにつれ とけてあらわる

150 終業(おわり)かと思い込みし卒業式 いやいや始業(はじまり)と気付きけり

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