●摩耶夫人像




 万治2年(1659年)2月、摩耶夫人が釈尊をお産みになったように、摩耶山佛日寺が建立された。 命名は、山号・寺号とも宗祖隠元禅師である。(普照国師広録巻23の11)
 山号摩耶山は、摩耶夫人によるものである。 摩耶夫人は釈尊の母で、シェッドーダナ(浄飯)王の妃マーヤーの音写である。 浄飯王の妃であるので夫人と呼ばれる。シャカ族の近隣のコーリヤ族の出身とされる。
 摩耶夫人は、白象が胎内に入る夢を見て、釈尊を身ごもったといわれる。 月満ちて出産のため実家のある故郷に帰る途中、ルンビニー園で木の枝につかんだとき、右脇から釈尊を出産したという。 出産後、一週間で亡くなり、その後は、摩耶夫人の妹マハープラジャーパティーに育てられたとされる。 釈尊は悟りを開いた後、とうり天に昇った母のために、天上に上り説法したという。
 偉大なる釈尊の母摩耶夫人から、佛日寺の山号摩耶山を命名した宗祖隠元禅師が来朝して、平成16年で350年になる。 東漸350年を記念して、ここに摩耶夫人像を奉安する。
 才媛なる摩耶夫人を顕彰し、俊才・英知・安産・生長のご縁をいただきたいものである。