●開版(かいぱん)
佛日寺の山門には大きな木彫りの魚が吊り下げられています。これを開版(かいぱん)といいます。『勅修百丈清規』によるとお経のリズムをとる木魚の前身とされます。 大本山萬福寺では朝昼の食事と行事の合図に叩かれます。口に咥えているのは煩悩の塊であり、鱗の数は108枚あるそうです。何故魚の形をしているかというと、 「魚のように夜も眠らずに精進しなさい」と戒めの意味があります
佛日寺の開版を見て、江戸時代前期の俳人 伊藤信徳(1633〜1698)は『七百五十韻』の中で「佛日寺木魚」と題して以下の詩を残しています。
古呂古侶登鱸耳似太留木魚哉
ころころと すずきに似たる 木魚かな
現在の開版を見ているとどことなく魚の「すずき」に似ております。もしかして江戸時代のものがそのまま残っているのかもしれません。