●小野篁

78.令和2年8月22日(土) 地蔵盆会の一席
 演題「小野篁」 住職(服部潤承)


 新型コロナが相変わらず猛威を振るっています。地藏盆は広く地域に呼びかけてのお子様対象の行事ですので、不測の事態を想定して、お昼の開催を中止して、お寺だけ(一般的に申しますと無観客)で、お子様の健やかな成長を祈願するとともに、水子地藏尊建立寄進者報恩並び水子供養の法要をいたしました。

 小野篁(おののたかむら)が隠岐(おき)の国に流罪になった時に詠んだ和歌が「わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬ 人には告げよ あまの釣り舟」で、百人一首にも入っています。
 小野篁は、平安時代の公卿(くげ)で歌人であります。昼間は公卿として、朝廷に仕え、夜間になると六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ・東山区)にある井戸を通り地獄に行っては、閻魔大王の裁判の補佐をしていました。
 或る時、小野篁は、地獄に落ちて苦しんでいる亡者に代わり、自責のあまり閻魔大王自身が地獄の炎で自分を責めている姿を目撃いたします。閻魔大王の慈悲深い姿に感動した小野篁は、閻魔大王を救うために供養をおこないました。これが地藏盆の由来です。

 慈悲深い地藏菩薩は、閻魔大王の姿になって地獄の責め苦を受けて、苦しむ亡者(もうじゃ)を救済されました。
今、新型コロナで苦しんでいる多くの方々の願いがいち早く叶いますように。

「おん かかか びさん まえい そわか」



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