●和顔愛語 先意承問
令和5年5月掲載
※原文は縦書きのため漢数字で表記しております。
「今を生きることで 熱いこころ燃える だから君はいくんだ ほほえんで」これはアンパンマンマーチの一節です。皆さんご存知アンパンマンですが、その由来はどうでしょうか。作者のやなせたかしさんはなぜアンパンマンを描いたのか、その背景をインターネットの情報から引用すれば次のようです。
日中戦争に出征し、プロパガンダ製作に関わっていたこともあり、「正義」というものがいかに信用しがたいものかを痛感した。これまでのヒーローは強い力・武器・必殺技を持ちながら「正義」を口にし、悪者や暴れる怪獣をやっつけることが主であり、飢えや空腹に苦しむ者を救わなかった。戦中戦後の深刻な食糧事情もあり、当時から「人生で一番つらいことは食べられないこと」と考えていた。五十代で「アンパンマン」が大ヒットするまで売れない作家であり、空腹を抱えながら「食べ物が向こうからやって来たらいいのに」と思っていたという。こういった事情が「困っている人に食べ物を届けるヒーロー」という発想につながった。アンパンマンと「正義」というテーマについて、「『正義の味方』だったら、まず、食べさせること。飢えを助ける。」と述べられている。さらに主人公をあんパンにした理由を「あんパンは日持ちがする。そして外の皮はパン=西洋、内側はあんこ=純日本。見た目は西洋でも心は日本人である。」と解説している。目の前の人を見捨てることはせず、たとえどんな敵が相手でも戦いも放棄しない。「飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」に変わりません。絶対的な正義なのです。」と語っている。
仏教の六波羅蜜に「布施」があります。それをまさに実践しているのがアンパンマンだろうと言えます。
さて、昨今、食糧難が危ぶまれていますが、本当でしょうか。なぜ日本は減反政策を行ってお米の生産を減らしているのか?またオランダやイギリスにおいては畜産農家を廃業奨励までしていると言います。世界中で、遺伝子組み換え食品やさらにはゲノム編集による培養肉や野菜(ワクチンレタスという代物まで!)開発され始めているそうで、このような商品を売りつけたいがために、国際社会がグルになって食糧難になるように仕向け、一般市民を煽って焚きつけているという話もあります。現在は、ゲノム編集で作られた食品は表示義務はありませんから、いつ流通していつ我々の口に入るかもわかりません。わざと食糧難を作りながらそれを克服するように見せかけて、安全か危険かも分からない食品を世に撒き散らす行為は、ニセアンパンマンつまり、善人の皮を被った鬼の所業であり、目先の利益にこだわる畜生界に堕ちているのではないかと思えてなりません。先の時代から受け継いできた農地や智慧を守り、安全な農作物を育て次の世代へ繋いでゆくことが大切でしょう。
題名にあります「和顔愛語 先意承問」とは、「和やかな顔と思いやりの言葉で人に接し、相手の気持ちを察して、何ができるか自分自身に問いただす」ことです。我々はほとんど洋服を着るようになりましたが、心は日本人のままでありたいと思いませんか。「目先の事ばかりに囚われず、熱いこころ燃やし、ほほえみ思いやりを持って、今を大切に生きること」これを日々実践しようではありませんか。
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